今回は、前回「築50年の住宅をハイブリッドソーラーハウスへ」の続きです。
前回は、床下の防湿コンクリート、断熱、床暖房配管、屋根工事まででした。
まずは、ハイブリッドソーラーハウスのもっとも重要な部分、蓄熱床暖房の工事です。
ハイブリッドソーラーハウスの床暖房は全館床暖房となっています。さらには24時間床暖房です。
床暖房と聞くと、一般的にはLDKに限定されていて、廊下やほかの部屋はもちろんありません。しかも光熱費も気になって。。。
ハイブリッドソーラーハウスは、1階は物入やキッチンなのどの設備した以外はほとんど床暖房です。誰もいない廊下やトイレ、洗面所なども。しかも、蓄熱床暖房なので運転が止まった後も蓄熱コンクリートがやんわりと遠赤外線を放出しますので、24時間床暖房が実現します。
太陽熱温水器を床暖房の熱源として利用しているため、光熱費も気にせず全館床暖房で24時間快適に過ごせます。もちろん、春~夏は床暖房ではなくお湯を毎日ふんだんにタダで沸かしてくれます。
太陽熱温水器は床暖房面積に応じて面積を算出します。
今回は広いので12枚設置。お湯を沸かすだけなら2~3枚で十分ですが。
ピンク色の配管が床暖房用の配管です。ピンク色なのは熱媒液の色です。
配管は架橋ポリエチレンで、一般水道管と一緒です。コンクリートで埋まるところにはジョイントはありませんので配管の液漏れの心配はありません。
太陽熱を利用した全館床暖房で光熱費も安く快適と書きましたが、床暖房だけでは全く快適ではありません。
やっぱり断熱が大事です。
断熱が大事と言いながらも、リフォームでの断熱改修はとてもハードルが高いです。
技術的な問題もありますが、壁の中に断熱材を充填しなければいけないので、外壁若しくは内壁を剥がさなければ断熱改修が出来ません。
金額も高くなりますし、生活しながらのリフォームになると、お客様も施工者も大変な工事になってしまいます。なので、一般的には窓の内窓工事や天井裏の断熱、外壁、間仕切り壁の気流止めが一般的です。それでも十分に満足いただけます。
幸いにも今回は、フルリフォームで外壁や内壁も無い状態なので、新築同様の断熱気密工事が出来ます。
断熱気密工事です。
高性能16Kのグラスウールを裸で入れて、気密シートは別に張ります。
そうすることで、より精度の高い気密工事ができます。
皆さん現場発砲系の断熱ばかりで、サンクスのような工事は珍しいかもです。
左側の写真はポリスチレンの断熱材ですが、板金屋根が低くて小屋裏が取れない場所です。
基本的に天井裏はセルロースで施工するのですが、後から施工できないような狭い所は板状の断熱材を入れることもあります。
基本は真ん中の写真のように気密シートを張ってその上にセルロスの吹込み断熱です。
右側の画像は間仕切り壁の間柱部分ですが、天井の気密シートを連続させるために、間仕切り壁の中もちゃんと気密シートを伸ばしてテープ処理をしています。
長くなりましたので今回はここまで。