建築中の現場で構造見学会

3月18・19・20日(土・日・祝)に、現在建築中の平屋の家の構造見学会を行います。

建築途中なので、柱や梁、筋交い等の耐震金物の取り付けている様子や、太陽熱を利用した全室蓄熱床暖房の仕組みなどを確認することが出来ます。

完成すると見えなくなる部分なので、ぜひこの機会にお越しください。

以下は、今までの工事の進行状況です。

棟上げの後、屋根にはルーフィングが貼られ、サッシ枠が取り付けられます。

外壁には、透湿防水シートが貼られます。

透湿防水シートとは、水蒸気は通すけど、水は通さない特殊なシートです。

床には、断熱材が敷き詰められました。

屋根工事です。

三州平板瓦です。

黒く見えるのは、太陽熱コレクターを取り付けるための支持瓦です。

最近は、太陽光発電の普及に伴い、このような瓦も使用できるようになりました。

架台を取り付けた様子。

太陽熱コレクター設置。

今回は、2m×1mが7枚です。

床暖房面積に応じて、コレクターの面積を決めます。

屋根の工事が完了。

これで、雨が降っても心配ありません。

室内は、床暖房のための配管の設置が終わりました。

この配管は1階の生活スペースにはほぼ全て配管してあります。(押し入れなどは除く)

床暖房用配管は、この後コンクリート(厚み10センチ)で埋めてしまいます。

太陽熱コレクターで温められた不凍液は、コンクリートに埋まった配管を流れコンクリートを温めます。

昼間の太陽のぬくもりを蓄えたコンクリートは、夜から朝までじわじわと部屋を暖めてくれます。

太陽熱を利用した、24時間全室蓄熱床暖房の出来上がりです。

 

新しい省エネルギー性を表す指標「BELS」

またまた、新たに建物の評価を表す制度が始まりました。

今回は、BELSというものです。
しっかりとした説明はこちらです。
http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk4_000114.html

簡単に言うと、省エネのランクを星の数で分かり易く、見える化しましたというものです。
判定の方法は、以前まとめた低炭素住宅と一緒で、外皮性能(断熱性能)を計算し、年間消費エネルギーを算定し第三者の認定機関に申請します。
星のランクは、以下の画像の通りです。

25年省エネ基準での家庭用年間消費エネルギー使用量に対して、設計した住宅での年間消費エネルギー使用量はどの程度かというものです。
住宅は一番右の蘭ですが、25年省エネ基準レベルと同程度で星二つ。
9割(10%削減)が三ツ星で低炭素住宅相当です。
BELSの場合はその先があり、8.5割(15%削減)で四つ星、8割(20%削減)以上で五つ星となっています。

認定低炭素住宅より、進んだ感じはありますね。

今回は補助金の絡みもあり、現在建築中のU様邸でBELS認証を取りました。

結果は

五つ星を頂きました。

削減率は44%でした。

設計した住宅は外皮平均熱還流率UA値0.44で、北海道基準(1,2地域)UA値0.46をクリアしています。
九州地方(5,6地域)の基準はUA値0.87なので、断熱性能が半減したことによって消費エネルギーも半減したのかと思えば、実際は違うようです。
それぞれのエネルギー消費量を見てみましょう。

裏面には、基準値:6地域仕様の断熱UA値0.87による使用エネルギー量と、設計値:今回の物件の断熱仕様UA値0.44による消費エネルギー量が記載されています。
分かり易いように冷房、暖房、換気、照明、給湯と項目ごとに分けた記載されています。

一言申し上げますと、1次エネルギーの算定に関しては、ハイブリッドソーラーハウスのような、太陽熱を利用した蓄熱床暖房は算定対象外です。
そのため、冬の暖房方法としてはエアコン暖房しか選べず、あえて高効率なものは選ばずに算定しています。

暖冷房に関しては、断熱性能がいい割には、削減が少ないように思います。
高効率エアコンを選択すればもう少し削減できるのかもしれません。
照明はLED照明の影響で半減、給湯に至っては太陽熱温水器御おかげで1/3以下になっています。

基準値を見ると、給湯に使用するエネルギーが多いことも注目する点だと思います。
給湯を自然エネルギーで削減する効果が、いかに効果的かがわかります。

残念ながら、ハイブリッドソーラーハウスの本当の省エネ性は計算では出すことが出来ません。
しかし、暖房に関しても自然エネルギーを利用しているハイブリッドソーラーハウスは、今回の結果よりはさらに省エネだと思っています。