低炭素建築物とネット・ゼロ・エネルギー住宅 パート2

さて、前回の続きです。

前回は大まかな説明をしましたが、今回は実際に何をしたのか、実務的な話を書きたいと思います。

まずは、低炭素建築物。

低炭素建築物を語る前に、省エネルギー基準(断熱基準)について語らなければいけません。
詳しく知りたい方はこちらの国交省のパンフレットを参照してください。

そもそも、日本の断熱基準はとても遅れているという話を以前しました。
過去記事:日本特有の「寒いのは当たり前文化」をやめよう!!

平成11年に次世代省エネルギー基準という断熱の指針が出ましたが、ただの指針で義務化ではありませんでした。
しかも、ゆる~い基準。
そして、平成25年からは新しい改正省エネルギー基準が施行されています。
今年の、3月までは移行期間で、4月からは完全に新しい基準での施行になります。
そして、あと5年後の平成32年からは完全に義務化されます。
義務化されるというのは重要なことですね。
この点は、私達からすれば当然の義務化なのですが、断熱を入れたくないという人には建築の自由は制限されてしまい、まだ検討が必要なことではあります。
日本も、少しずつ変わろうとしています。(まだ不十分ですが・・・。)

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何が改正されたかと言いますと、大きな所では、断熱性能の指標として床面積から算出していた「熱損失係数Q値」から、外壁や屋根、窓など外部からの熱的影響を受ける「外皮平均熱貫流率Ua値」となります。
このことで、建物の形に大きく左右されていた「熱損失係数Q値」より、正確に建物の断熱性能を表すことができるようになりました。
そしてもう一つ変わった点は、照明や暖冷房、給湯などの1次エネルギーでの評価も加えられました。

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けんちゃんとしては、新しい評価基準になって、はたしてサンクスの家づくりはどのくらいのレベルなのだろうとず~っと思っていたわけです。
でも、これはしっかりと腰を据えてやらないと結構大変そうだと思って先延ばしにしていました。
あわよくば、誰かがやってくれないかなぁ~ なんて・・・。
でも、どうせ5年後には義務化されるわけだし、今回いい機会をもらったので、腰を据えてやってやろうということで、チャレンジした次第です。

さて、その改正省エネ基準ですが、ただUa値と1次エネルギー計算をするだけではなく、もちろん基準値があります。
全国をの気候を考慮した8区分にわかれていまして、大雑把にいうと1,2が一番寒い北海道など、3が青森、秋田、岩手、4が山形、福島、新潟、長野など、5,6が東京、大阪、広島、福岡、熊本など、7が宮崎、鹿児島、8が沖縄という感じです。
大雑把に書きましたが、町単位までしっかりと区分されています。
その区分ごとに、クリアしなければいけないUa値があります。
熊本の6地域は、下の表から0.87となります。

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今回は、2件の計算をしましたが、0.46と0.44という結果でした。
地域でいうと1,2地域相当となります。
北海道基準ということですね。
まぁ 日本の断熱基準が遅れているので素直に喜べないのが罠ですが・・・。

ということで、これからはこのUa値に注目してもらうといいですね。

まだ、低炭素建築物の中の省エネ基準の話ですが、長くなるので続きは次回で・・・。

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