5月17日「体にいちばん快適な家づくり」勉強会を開催しました。
当日は、あいにくの雨で始まる前からハプニングが!?
なんと講師をお願いしている岡本さんが熊本に来られないかもしれないというじゃありませんか。
何かというと、岡本さんは愛知県知立市から飛行機で来られるのですが、ご存じの通り熊本空港は天候次第では視界が悪く着陸できないので、福岡空港に迂回します。
まさしく、朝から天候が悪く福岡空港に行くかもしれないと連絡があったのです。
そんなことになったら、けんちゃんが代わりに話をしなければ行けません。
うぉ~。がんばって熊本に降りてくれ~
と祈っていたら、何とか無事に到着。
ほっと一安心のけんちゃんです。
さて、本題の勉強会ですが、来年建築予定の方や今年の冬に見学会に来られた方、協力業者さんなど10人程度来ていただきました。
予定では、もう少し多いはずだったのですが雨のせいか集まりが悪く・・・。
ちょっと残念です。
さぁー!! 気を取り直していきましょう!!
勉強会の内容は、
- 日本の住宅の移り変わり。
無暖房時代(第1期)から、石油が普及してからの暖房時代(第2期)、そしてこれからの24時間暖房時代(第3期)。
第1期は外も中も同じ温度で田の字型住宅。
第2期は暖房室を細かく区切る玄関ホール廊下階段型。もちろん浴室、洗面、トイレなんて暖房しませんのでとっても寒い。日本では、かれこれ50年ほど第2期の住宅に住んでいて、これが当たり前。
第3期は全室24時間暖房で温度のバリアフリーの家。間取りもオープンで自由度が高い。
- 岡本さんの自宅(ハイブリッドソーラーハウス実験棟)の紹介
日本最大級のトロンブウォールやクールチューブ、液体式の太陽熱床暖房と空気式の太陽熱床暖房など。
トロンブウォールは、南面の壁をコンクリートで作ります。冬の太陽熱を壁に蓄熱させ夜の暖房に利用する物です。晴れるととても暖かいですが太陽が出ないととても寒いそうです。
クールチューブは、土中にトンネルを造りその中を通る空気を冷やして室内を冷やす冷房手法です。これは失敗。湿度が高くジメッとする。
空気式の床暖房は、一言で言うと失敗。液体と比べると集熱する能力が半分だし、蓄熱する効果もない。
他にも、窓のような開口に液体をためておいて太陽の熱で蓄熱する方法(失敗)等もありました。
詳しくはこちら。岡本ソーラーハウス
- 断熱材のお勉強
断熱材には、いろんな種類があるけど熱を防ぐ性能を表す数値がありその数値と厚みでそれぞれを比べる事ができる。
外張り断熱と充填断熱。はっきり言ってどちらでも断熱性能は関係ない。結局は、断熱材の性能の問題で工法の優劣ではない。(とってもわかりやすいです。)
住宅の断熱性能の指標として、次世代省エネルギー基準を紹介。サッシは住宅の断熱性能に大きく関わってきますので次世代省エネルギー基準よりもワンランク上野性能の物を使った方がよい。
断熱の勉強はこちら。
- 快適な住宅環境について
普通、熱い寒いという指標に気温を使いますが、実際に体が感じている体感温度はそんなに単純ではなく、気温、気流、湿度、頭と足首の温度差、周りにある物質の温度などいろいろな事を感じ取って快適か不快かを判断している。
その中でも重要なのが、周りの壁や天井、ガラスの温度。気温が同じ場合、周囲の温度が高いか低いかで体感温度は変わってくる。
冬場に、背中に窓があったらぞくっとしませんか?それは体から熱が奪われているためです。
体感温度の話はこちら。
ちょっと長いですがもう少し。
- 日本特有の高齢者の溺死事故
日本の高齢者の溺死事故は欧米の20倍。日本の浴室はとても寒く高齢者の体にとても負担がある。欧米では、全館暖房のため浴室も暖かく事故がほとんど無い。温度のバリアフリーが重要。
- 灯油・ガス・電気 環境負荷とコスト話
電気は、とても便利なエネルギーだけど環境負荷が大きくとても貴重なエネルギー。コストもしっかり比べよう。自然のエネルギーがもっとも環境によくコストもかからない。
詳しくはこちら。
- 太陽熱給湯器が大流行
日本の話じゃありません。環境先進国のヨーロッパや成長著しい中国の話です。お風呂が大好きな日本は、昔はたくさん使っていましたが・・・。中国は、世界の設置数のなんと7割ものシェアを誇ります。すごすぎ。
ふぅ~ おつかれさまでした。
他にも、見えない結露の話やダニの話などがありました。
みなさん、とてもわかりやすく参考になったと言っていただきました。
しかも、日本だけの話ではなく世界各国の住宅事情も合わせて勉強できるので、住宅に対する考え方が大きく変わると思います。
ぜひまた、企画して勉強会を開きますので話を聞きに来てください。